須賀敦子,2冊目挫折

「遠い朝の本たち」を読んでいるのだが,前回読んだ「ヴェネツィアの朝」に比べると今ひとつ面白さが感じられない。作家の書く「私の読んだ本」的な作品は好きで,触れられている本が面白そうだと思うと,すぐに図書館や本屋に駆け込む方なのだが,なぜかこの本ではそういった気持ちになれない。自分の好きな本の紹介というよりも,本を取り巻く自分の世界を描くことが中心になっているためかもしれない。描かれている世界が国内中心というのもあるだろう。この本はいったん中断し,彼女の海外生活に触れたエッセイをもう少し読んでみようと思う。そのあとなら,また読みたくなる可能性もある。