The Oxford Book of Modern Fairy Tales -10

  • Oscar Wilde "The Selfish Giant" 166~169p 読了

オスカー・ワイルドの「わがままな大男」。大男が旅から帰ってくると,自宅の庭は子供たちで溢れかえっている。自分の庭に勝手に入るなんてと子供たちを追い払う。しかしそのとたん,庭には一年中北風が吹き荒れることとなる・・。
この話は子供の頃に翻訳で読んだことがあるのだが,大男の愛する「小さな男の子」がキリストを暗示しているというのには気づかなかった。「手に釘の傷が」ということで,今回ようやくピンと来た次第。

  • Laurence Housman "The Rooted Lover" 170~177p 読了

しがない農夫が命を賭けてお姫さまの気持ちを得ようとする。農夫がなんとしてもお姫さまの愛が欲しいと賢女にすがると,賢女は農夫をケシの花に変える。花が枯れ果てる前に,お姫さまがキスをして胸に挿せば,彼女の愛を得ることができる。だが,それが叶わなければ,花が枯れると共に命を失ってしまうというのだ。
この農夫やLight Princessに登場する王子は,巨人やドラゴンなんかと闘ったりはしないが,自分の勇気や美徳を示し,愛のために粘り強く試練に耐える新しいタイプのヒーローである。編者アリソン・ルーリーの教え子の一人は,彼らを "a post-feminist man"と称している。