F.Scott Fitzgerald "The Great Gatsby"  159~188p -5 読了

ぼんやりした状態から覚め、慌てて朝の家事を済ませて昨日の続きを読んだ。
擦り切れるほど見た映画の原作だから、筋は知り尽くしているはずなのに、最終章では目頭が熱くなってしまった。ギャツビーが撃たれた直後、ニックの頭の中で想像のギャツビーが語るところ。どってことない文章だし、翻訳で読んだときにはさらっと流せたのに、原文ではツンときた。
"Look here, old sport, you've got to get somebody for me. You've got to try hard. I can't go through this alone."
old sportってのはギャツビーの口癖で、今や古めかしい呼びかけ語なのだけど、これがまたいかにも彼らしくて、ついツボを突かれてしまったようだ。新潮文庫の野崎訳では「親友」とされている。その後、ニックは彼のために奮闘するわけだけど、結果は・・。映画より彼のキャラクターは骨っぽいみたいで、好感を覚えた。
1920年台、失われた世代の代表的作品で、ストーリーはもはや陳腐とさえいえるかもしれないのに、実際、原作を読んでみたら、一文一文が身体に染み入るようだった。座右の銘にでもなりそうな表現が、あちこち散らばっている。村上春樹が昔、適当に開いたページを読み返してみる度に発見があるというようなことを書いてたのも納得。ちなみに私が気に入った文は・・
"I'm glad it's a girl. And I hope she'll be a fool - that's the best thing a girl can be in this world, a beautiful little fool." (24p-Daisy)
「こんなことなど考えたことないわ」という女子は、いないでしょう(笑)。
"Thirty - the promise of a decade of loneliness, a thinning list of single men to know, a thinning brief-case of enthusiasm, thinning hair." (142p)
"I'm thirty, I'm five years too old to lie to myself and call it honour." (185p-Nick)
最初にこの作品と出合ったのが20代後半の頃だっただけに、この2文は印象に残る。
"You said a bad driver was only safe until she met another bad driver?" (184p-Jordan)
免許取立ての頃、ジョークとしてよく使った。そしてもちろん、冒頭の・・ブッシュも心してほしい、このセリフ。
"Whenever you feel like criticising anyone, just remember that all the people in the world haven't had the advantages that you've had." (7p-Nick's father)