Monica Ali "Brick Lane" 31~80p -2

昨日読んだ部分が怪しいので、最初からザッと再読。ハナから人物がばんばん出てくるし、バングラ風の名前にも馴染めないので、名前リストを作ってみた。
・・この作品はモニカ・アリのデビュー作。主人公ナズニーンは東パキスタンで1967年生まれ。このあたりは、ほぼ作者本人の生い立ちになぞらえられているようだ。
美人と誉れ高い妹ハシナは恋愛結婚で駆け落ち的に家を出、その反動で18歳のとき、父親の言うままにロンドンで暮らしを立てている22歳年上の自称インテリ男シャヌーに嫁ぐ。文字どおり写真だけのお見合いで、いきなりロンドンでの新婚生活。ロンドンといっても、彼女の生活の場は同郷の人々に囲まれたアパートの中に留まっている。夫は自分の出世に全力を注ぎ、ことあるごとに大学出をひけらかし、自分の寛容さを妻に強調しながらも、巧みに彼女の外出や英語を学ぶ機会を「必要ない」と切って捨てる。
「自分の運命に従うのが賢明」「運命に逆らえば、自分の血の力を弱めることとなる」「神は女にものを訊ねるよう求めていない」といった超保守的な教えを叩き込まれたバングラ女性が、ロンドンでどう生きていくのか興味深い。とりあえずは、夫の留守中ひとりで街を歩き、ヒンドゥからものを訊ねられ、拙い英語でもなんとか返答することができた。"Sorry."というわずか一言だったけど、彼女にとっては大きな一歩。