George Orwell "1984"  275~326p -9 読了

101号室で囚人が与えられるのは、それぞれがいちばん恐怖を抱いているもの。Winstonを待っていたのは、飢えきったネズミたちだった・・・と聞いて、ネズミに耳を半分齧られたドラえもんが逃げ惑う姿を思い出してしまう私。クライマックスに至る大事な箇所なのに//orz。
人間は全体主義に負けてしまうのか?という疑問に、そう負けてしまうんだよという負の答えを持って、オーウェルが私たちに投げかける警鐘。うぬぬと考えこんでしまう。彼が描いた1984年の姿は幸いにも現実化されなかったとはいえ、民主主義社会下にある国においても自分自身が気が付かないうちに操作されているということは十分にありえるわけで、その意義は今でも一向衰えないと思う。イラク戦争の泥沼に突き進んじゃったアメリカ然り、憲法改正に進んでいく日本然り。日常生活で、ふと当局側の思惑は何なんだろうと考えてしまうとき、Goldsteinの禁書やO'Brienのセリフなんかを読み返したい。頭をガツンと殴られるようなショックで、一気に目が覚めそうだ。
英文はそうでもないが、単語がなかなか難しくて、最初の方はけっこう電子辞書を多用した。が、100ページほど読み進めると、それらの単語にも慣れてきてスイスイ読めてしまう。ちょっと硬めの表現を身につけるのに、打ってつけのテキストだろう。
・・・なんて書きながら、結構読み落としたり勘違いしてる箇所が少なくないということが、下記のサイトで確認できてしまったりする(とほほ)。英文テキストだけど、各章ごとに要約と感想がまとめられていて、ありがたい。さすがは古典、重宝なサイトが存在する。。