Jeffrey Eugenides "The Virgin Suicides"  48~105p -2

舞台は、まだ携帯やパソコンが普及してなかった頃のアメリカ中部(おそらくデトロイト)。リスボン家の13歳から17歳まで年子の美しい娘たちが暮らす家という設定からして、ノックアウト。長めの金髪、ふっくらした頬。5人の見た目はそっくりだが、性格はそれぞれかなり個性的だ。いちばん年下のセシリアはオカルト好みで古着のウエディングドレスを手放さない。4女のラックスは奔放で露出過多気味。長女のテレーズは科学オタクなのかいつも難しそうな本を片手に白衣を着ているという。次女のメアリーはおしゃまで3女のボニーはおとなしめかな、この二人の性格はまだよくわからない。
ストーリーはそんな彼女たちに魅了された近所の男の子たちによって語られていく。ちょっと謎解きっぽくて、面白い構成だ。セシリアの自殺をきっかけにして、リスボン家を取り巻く町の人々が少しずつ変わっていく様子が淡々と続く。
We felt the imprisonment of being a girl, the way it made your mind active and dreamy, and how you ended up knowing which colors went together. We knew that the girls were our twins, that we all existed in space like animals with identical skins, and that they knew everything about us though we couldn't fathom them at all. 43p
'imprisonment of being a girl' という表現に打ちのめされる。少女であることは生々しくもあって、それが「同年代男子の視点」というフィルターを通してもなお、リアルに描かれているだけに(独特の匂いとか、生理のこととか)。後半のセンテンスも、思春期の男の子的心情が表れているようで、素敵だなと思う。