Good Germs, Bad Germs  67~83p -4

腸内細菌は、ホストの代謝システムやひょっとしたら遺伝子にまで影響しているのかもしれない、と。恐るべし。
人類が細菌に傷めつけられてきたのは歴史的な事実として確かなことだろうが、傷められつつ進化してきたとも言える(Sharon Moalemの"Survival of the Sickest"で明らかにされた、欧州人に顕著なhemochromatosis(血色素症)遺伝子と14世紀の腺ペストの関係などのように)。
ペニシリンの発見から約80年。抗生物質を安易に使いすぎてきた反動が現在、Th1が及ぼす自己免疫疾患やTh2によるアレルギー疾患などとして徐々に表出し始めているのだとしたら・・・抗生物質の発見は本当に人類にとって「善きこと」だったのだろうか? 扱い方だけの問題なのだろうか? 
・・・・・・「我々が進もうとしている道が正しいものであるかどうか、神は前もって教えてくれはしない」というアインシュタインの言葉を思い出す。