Paul Auster "Moon Palace" -13

はやドラフトワン入ってます。…5ページ余り読み進める。にょほほ
徴兵検査以降,親友ジンマーの細やかな労りによって徐々に体力を回復させていくマーコ。その様子を見て,ジンマーは,共に彼の救出に全精力を傾けた女性,キティについて語り出す。キティは,ジンマーの前の下宿で開かれていたパーティに参加していたジュリアードの学生で,ジンマーの引っ越しを知らないまま彼を訪ねてきたマーコとその場でたまたまいっしょに食事を共にしただけの仲なのだ。ただ,その場で二人が偶然同じメッツのTシャツを着ていたことから,お前ら兄妹みたいと言われただけの関係。なのに彼女はマーコを気にかけ,彼を助けようと何週間も必死で奔走する。そんな彼女について,ジンマーは
…if he hasn't already been in love with someone else, he would have fallen head over heels for(〜にぞっこん惚れ込む) her. She was as close to perfection as any girl he had ever met…
と言う。マーコを探し廻っていた間,ずっといっしょにいたことで,ジンマーこそキティの人柄に惚れ込んだようである。そして,彼女はよほどお前に夢中なんだと言う。だが,マーコは
She took pity on me and did something about it--in the same way other people take pity on wounded dogs.
とにべもない。さらに,それが事実なら,なぜ彼女はもっと頻繁に自分の元に来ないのかと問う(実際,救出当初に数回,様子を見に来たきり)。そんなマーコにジンマーは言う。
She saves your life, and yet you don't owe her anything. She doesn't expect gratitude from you. She doesn't even expect friendship. She might wish for those things, but she'll never ask for them.
天使か,彼女は。さらにダメ押し。
That it's up to you, Fogg. You're the one who has to make the next move.
と。ああ,いい友達ですな(笑)。