Paul Auster "The Book of Illusions" 55~65p -4

合間合間に読んでいたので,時間は計れず。
9ヶ月弱で”The Silent World of Hector Mann”を書き上げNYのアパートを引き払い,Hamptonへ戻るZimmer。もちろん,以前家族で住んでいた自宅には戻らない。失った人たちの思い出が詰まりすぎた大きな家に独りで住むのは,あまりに辛すぎる。が,やはりよく見知った街に住むのがいちばん安らぐそうで,結局,山の上に建てられた,prefab ski chalet/スイスの山小屋風の小さな中古住宅を購入する。
引っ越し後,学生時代のsolid friend/親友で,Columbia大学で教鞭を執っているAlex Knoenbergから手紙が届く。なんでも1927年Columbia大学卒業のDexter Feinbaum氏から450万ドルを遺贈され,世界文学全集の編集を行うことになったという。Meister EckhartからFernando Passoaまで,Chateaubriandの”Memoires d'outre-tombe”も入っている。Chateaubrianの本はなんと2000ページに及ぶ大作だが,学生時代Yale大学のキャンパスで,Zimmerが絶賛していたのを思い出した。まだその本の翻訳する意志があるのなら連絡をくれと。
Zimmerがこの仕事を受けることを決意し,Alexに電話を掛けるというあたりまで。…親友がボロボロ状態の際,翻訳の仕事をきっかけに立ち直らせようとするってパターンは,”Moon Palace”でもあったような。その時はZimmerがMarcoを助けていたが,今回はAlexがZimmerを助けると。何だか頭がこんがらがりそう。