おようふくがない!

お昼過ぎになると,道路の雪も半ば融け始めグチャグチャになってきた。こりゃとても子供を乗せて自転車には乗るのは無理だと,スイミングの送り迎えは車で行くことにしたのだが,元々飛び地状でわかりにくい駐車場所は,雪でさっぱりわからなくなっていた。で,思わぬ時間をロス。さらにスキーの申込み手続きにスクール側の手落ちがあったとロビーで引き留められ,お迎えはますます遅くなってしまった。
しかし,時間はかかるが娘は自分でちゃんと着替えられるようになっているのだ。普段は自ら,「もっとおそくにきて」(ゆっくりガシャポンを見たいから)と言ってるくらいだし,大丈夫だよね。…と,余裕をかまして更衣室に入ると,なぜか彼女ひとりだけ水着姿のまま突っ立ち,仁王様と化している(こういうときの彼女の顔はかなりコワイ)。どうやら自分が着替えを入れたロッカーの場所が,わからなくなってしまった様子。周りのお友達が数人,心配しながら一生懸命探してくれている。慌てていっしょに探し始めるとすぐ見つかった。番号の書かれてないロッカーだったので,覚えようがなかったらしい。しかし今度は半泣き状態で「もうきがえないー」と駄々をこね始めた。周りのお友達とお母さん方に礼を言い,必殺キャンディを取り出しなだめにかかる。
こういう時,どうしてこうも余裕がなくなるのか。ヒステリーを起すのか。拗ねるのか。それらがみな自分が小さい頃の姿と重なって見えたり,自分の子育ての拙さが原因でこうなっているようにも思えたりして,ダメな彼女が本当に気の毒になってくる。ちょっとずつ自分が強くなっていくしかないんだろうけどね。
ところで,岩手の子供たちにはいつも感心する。こういう時,相手が顔見知りの子供でなくても,心から助けてくれようとする。もちろん,すべての子供がこういう子ばかりじゃないが,こういう子が多い。引越後,何度も赤いほっぺたをした色白の子供たちの優しさに救われてきた。お愛想じゃなくよそのお宅の子供がこれほど可愛いと感じ,しかも癒されるなんて,東京ではほとんどなかったことだ(あえて皆無とは言わない)。ああもっと子供の小さいときから,盛岡で子育てがしたかったよ!