Paul Auster "Mr Vertigo" 219~260p -9

宿敵(?)スリムを死に至らしめたものの,マスターも人生の目的も失ってボロボロの状態のウォルトだったが,シカゴの大物オーマリーの右腕ビンゴ・ウォルシュに拾われ,九死に一生を得る。そしてついには自分の店を持つところにまで這い上がってきた。店の名は,強烈な頭痛が始まった当初,マスターが与えてくれた名から取ったMr Vertigo'sだ。そんなある日,'34年,カーディナルスがワールドチャンピオンになった当時のエースDizzy Deanが店を訪れた。Vertigoは「(高所で起こる回転性の)目眩」,Dizzyには「目眩がする」という意味がある。似通った名前,似通った運命を背負った彼に歪んだ自己投影をすることによって,ウォルトは再び人生を再び狂わせていく。