John Irving "A Prayer for Owen Meany" 19~50p -3

家業の石材粉塵で潰れたオーエンの声を表すためか,彼のセリフがみな大文字で書かれているので,目で見た文面にメリハリがあってユニークだ。夜中にビールを飲みながら洋書を読んでると,疲れでときどきアルファベットが虫の踊りのように見えてくるときがあるのだが,それが少しは防げるかもしれない。
舞台は,殖民地時代の家系が重要視されていた頃の,ボストン郊外Gravesend。タイトルに 'prayer' とある通り,当時のキリスト教諸派が取りざたされていて面食らう。主人公ジョニーが母の再婚相手に合わせて 'Congregational'(=会衆教会派) から 'Episcopal'(=監督教会派) に転向した意味や,オウエンが自分の神に対する姿勢と各派の姿勢を比較したりする箇所など,ふーんと字面でわかったような気にはなっても,理解できてないと思う。