クリスマスのこと

キリスト教徒でも仏教徒でもない無神論者だが,クリスマスは家庭のお楽しみ行事のひとつとして,毎年子供たちにプレゼントを贈っている。しかしカナダ人のJ先生などは,クリスマス関係の話題になるたび,サンタクロースが幼稚園に来たり,子ども会でクリスマスパーティをして父兄から苦情がでないかと何度も訊く。事実カナダでは,実在しないサンタの存在を子どもたちに刷り込ませるなとか,キリスト教以外の宗教を持つ家庭からキリスト教のお祭りであるクリスマスを学校で取り上げるなといった苦情がしょっちゅう出ていたんだそうな。西洋社会じゃ皆クリスマスを祝い,子どもたちはサンタさんからのプレゼントを待っていると思い込んでいたのだが,トンデモナイ間違いだったみたい。
かく言う我が家も息子の小さい頃は,サンタさんは普段オモチャを買ってもらえない人のところにだけ来るんだ,君のように誕生日にプレゼントをもらっている家の子どものところにはサンタさんは来ないんだよと教えていた。一概にサンタなんかいないんだと言ってしまうと,彼が同じことを友だちに言って相手を傷つけるかもしれないと思い,考え出した苦肉の案だった。だが,たまたま通うことになった幼稚園が教会付属の園で,幼稚園にサンタさんが来てプレゼントをくれるようになってからは,いちいちつまらん言い訳をしてクリスマスを避けるのがアホらしくなってきた(カナダの方のように園へ苦情を言うなんて,思いつきもしない(^_^;))。
でもって今は,宗教的側面は知識だけに留めて,ハロウィンなどと同様に外国からきた楽しいお祭りのひとつとして楽しむようになった。しかし今なお難しいのは,やはりサンタである。息子には昨年真実を打ち明けたのだが,娘は今なお信じている。今日も街のクリスマスディスプレイを見ながら,「サンタさんがうちにプレゼントを持ってきてくれてるときって,お母さんはサンタさんと会ってるの?」と訊かれてしまった。ひ〜である。「うーん,会ったことないなあ,お母さんも寝てるときに来てくれるんじゃないかな?」とか言ってテキトーに誤魔化しているわけだが,嘘ついてるんだという罪悪感が歪めないんだなぁ。