Po Bronson "What Should I Do with My Life ?" 172~198p -7

今の人生は自分が真に欲しているものなの?・・この本で取りざたされているのは、自分の職業にプライオリティを置いて人生を歩んできた方々が大半だ。もちろん、生きていくために辛い仕事を続けざるを得ないという人もいるし、みながみな、自分の思う人生を歩んでいるわけではない。しかし、こと自分に照らし合わせて考えてみると、何をおいても仕事第一で考えなくて済むのはありがたいものの、自分のキャリアは二の次三の次で考えざるを得ない状態。このまま一生を終えるのは辛いというところだ。この本では、しょせんこういう子育て真っ最中の主婦は置き去りにされていてるんだねぇと感じていた。
が、メリー・アンは、生化学者で栄養学に関心の高かった父と未婚で会計士だった叔母の影響を受け、小さい頃から自分のキャリアを築くことを夢見ながらも、4人の子どもの子育てで断念せざるを得なかったという主婦だ。特に4人目の子どもミミを授かったのは、40代でほぼ子育てが終わり、ようやくキャリアを再び築こうと歩み始めた矢先。しかも、リストラされた夫がようやく得た再就職先のため家族が引越したことに、娘が反発。再就職は、彼女の教育費を捻出するためだったにもかかわらず、なんとミミは9年間もずっとメリー・アンの作った食事を拒否し、口もきかなかったという。学校にも適応できずドロップアウトを繰り返した娘だったが、メリー・アンは諦めない。口もきかない娘を数年間、毎日、片道48マイルの学校まで送ってやる。「ガン闘病等、人が抱える諸々の問題に比べたら、子育てなんて大した苦労ではない。他のすべての人が諦めても、母親だけは子どものことを諦めてはいけない」と彼女は言う。そのミミも、近所の子どものシッター経験を通じて、ついに「本当の彼女」に戻った。長かった子育てを終え、メリー・アンが再び自分のキャリアをつかんだのは、他人が仕事をリタイアし始める60代のこと。小児白血病に纏わる環境・遺伝的問題を調査する仕事で、それは父親から大きな影響を受けた彼女がずっと望んでいたものだった。。
この本を下さったM美さんもこの方の話に注目していたのか、背表紙にちょうど筋目が入っている(笑)。確かに子持ちの主婦にとって、勇気と元気がふつふつと湧いてくるような話。