Douglas Coupland "Eleanor Rigby" 240~249p -10 読了

「孤独」がテーマの作品だが,とうとう最後までリズの孤独感にコミットできないまま読了してしまった.
リズはいつも孤独だ孤独だと言うけれど,彼女の母親や兄姉は十分温かい人たちだし,彼女自身が身ごもったのが16とはいえ,あっさり子供を手放して完全に忘れちゃってる.なんかもう,自分がそんなんで他人に何を求めるわけ?とでも言いたくなる.まぁこういう身勝手な孤独感にこそリアリティがあるのかもしれないし,クープランドもその辺を描きたかったのかもしれない.
・・・けど,なんかコミットできない人様の孤独感と付き合っているうちに,ひょっとしたら家族と暮らしている私のほうが本質的に孤独なんじゃないかという不健康な思考が脳内で渦巻きかけて困ってしまった.ヒロインは最終的に孤独感を分かち合える素敵なパートナーと出会えてよかったね,ということなんだろうけど,読後感がちっともよくない.亡くなった子供がひたすら気の毒だ.
タイトルに惹かれて手にしたものの,私的には今ひとつ(ごめんね!).私の読解力にも問題アリなんだろう,きっと.