看護覚え書き

看護覚え書き―本当の看護とそうでない看護

看護覚え書き―本当の看護とそうでない看護

ナイティンゲールの看護の本質が述べられているナイティンゲールの代表作の翻訳。原書は1859年刊の初版。1985年刊「二つの看護覚え書き」と97年刊「ノーツ・オン・ナーシング」の改訳。(アマゾンレビューより)

読了。ワケあって翻訳版を読まなきゃならなくなったのだけど、かなり固めの訳で読みにくかった。おそらく原文がそうなってるんだろうけど、二重否定や遠まわしな表現が多すぎるんじゃないだろうか。原文あたった方が理解しやすいかもしれない。
内容については……いまさらだけど、白衣の天使的なナイチンゲールのイメージがガラリと変わった。昔読んだ伝記かなんかでも、実際はかなりのリアリストで実務的な人だったというような一文も確かにあったような気がするけど、この本を読むとまさに納得である。


冒頭の「女性はみな看護婦である」(5p)という一節からいきなりガツンとやられた。自分が両親や義母の看取りであまりに無力だっただけに。。でもこのセリフ、今は「人はすべからく看護師であれ」と読み変えるべきだな。この本に書かれているような病人に対して心がけるべき事柄は、すべての人が知っておくべき内容だと思う。
もちろん150年近く前の本だけに、今や、んー?と思われるような記述もあるけれど、「素早い確かな観察という習慣が身についていればそれだけで私たちが役に立つ看護婦になれるというのではないけれど、それがなければ、どんなに献身的であっても私たちは役に立たないと言ってもよいだろう」(144p)というあたりは、今も昔も変わらない金言だと思う。