悲しみが乾くまで

松山映画祭5作目(今年の映画祭はこの作品でおしまい)。
突然愛する夫を失った女(ハル・ベリー)と、麻薬中毒に陥った自分を唯一見捨てずにいてくれた親友を失った、かつての敏腕弁護士(ベルチオ・デル・トロ)が再び歩みだすまでのお話。
亡くなった男(デイヴィッド・ドゥカヴニー*1)の優しさや愛情が、男の死後、残されたものの生活の端々でぽつりぽつりと明らかになってくるのがとても切ない。しかし、男がくれたものが大きかったからこそ、残されたものが互いに優しくなれるのかもしれない。
激しい感動みたいなものはなかったけど、"accept the good(善を受け入れろ)"という亡くなった男のメッセージが心に残る。
作り手の、人に対する温かい見方がじわりと伝わってくる映画だった。

*1:フォックス・モルダー捜査官の人。この人が見たくてこの映画を見に行ったのだ。依存症の施設からは、もう退所したんだろうか?