烏絵片口とクラフトA

今日の器は金沢のクラフトA(名鉄丸越5F)で購入した井畑勝枝さんの烏絵片口。お菓子で隠れているが,見込みに烏が二羽描かれている。厚みがあってずっしり重く,正直言って扱いにくい器だが,菓子皿にはよい。お菓子がなくなると「二羽の烏がこんにちは」なので,子供やお客さんには受ける(こっちに載せた)。
クラフトAは,こういった一点物の個性的な器が多々置かれていて,デパートの食器売り場とは思えぬおもしろさがあった。赤地健さんの一点物とかが何気にポンと置かれていたりして,行く度についつい財布のヒモが緩んでしまった。
隣の漆コーナーもすごい。輪島塗,山中塗,金沢塗といった金沢近郊の塗り物だけでなく,高松の象谷塗りや飛騨の春慶塗などもあるよあるよ。超高級品でなく,あくまで日用品として使える塗りがメインだし,セール期間中はかなり安くなるので,ありがたい。
デパートの和食器売り場では窯物の食器がメインで,作家物はあっても料亭か何かでしか使われないような超高級品しか置いてないことが多いように思う。けれども名鉄丸越は,気安くうちのおかずが盛れるような,それでいて一目で惚れちゃうような一点物の作品なんかが何気に置かれている不思議なデパートだった。和食器探しに金沢を訪れる時にはぜひ。
…ただこの店は,いわゆる「九谷焼」(寺井町の問屋が型物の素地を作って作家さんが色絵を付けるようなの)はあまり置いてない。そういった品を欲しいなら,広坂(市役所周辺)か寺井町の九谷焼団地(何割か安い)がお勧め。いまどきのの九谷焼は,そういった旧来タイプのものと,生地から絵付けまで一貫して行う個人陶芸家あるいは団体(九谷青窯など)のものにはっきり分かれているのでご注意。