Paul Auster "Timbuktu" 84~93p -9

Willyが救急車で運ばれていったあと,Mr.Bonesは脇目もふらず走り続ける。以前見た夢の中での自分と違い,決して立ち止まらない。
…the dream wasn't a dream but a vision of things to come, there was no room for doubt. Willy's fate was sealed.
これ以降,Willyの運命は自分の夢どおりになるとMr.Bonesは確信している。一方,自分は?自分の運命はどうなるのか。行く当てもなく走り続けるしかないMr.Bones。ヨタ話や場違いなジョークなんかをしてる間に,Willyが自分に簡単なアルファベトだけでも教えてくれていたなら。Mrs.Swansonの自宅を探し出すこともできたのに。
But Willy had no sense of the practical, that's why, and because his brain was in a muddle, and because he was sick and dying and no shape to know which end was up.
そう,今となっては仕方がなかったと諦めるしかない。何の当てもなく,広いBaltimoreの街で自分がMrs.Swansonと出会える可能性もほとんど無い。結局,野良として生きていくしかないと悟るMr.Bones。しかし,物心ついた時からWillyのconfident/親友として生きてきたことで,彼のlupine instincts/ガツガツした本能は退化し消え失せている。とはいえ,丸2日食物を口にしていないのだ。どうにかして獲物を探してこなければならない。
ふと見ると,道路の向こう側にある彫像の元に鳥がたくさん集まっている。獲物だ。だが道路を渡るだけで,危うく死にそうになる始末。他の犬の動作を観察し用意周到に鳩を狙うが,これも失敗。お先真っ暗な野良犬生活が始まったところで,今日はおしまい。
…と思ったが,先が気にかかり辞書なしで100pまで読んじゃった。