Ellis Peters "A Morbid Taste for Bones" 190~197p -19 読了

45min。
聖女の遺骨を持ち帰る道すがら,聖女が奇蹟を起したと言ってRobertらは大騒ぎ。実際は
minor prodigies/驚異,most of them trivial, some derisory/ばかばかしく少ない
程度のもの。しかし,聖女を一目見ようという人々が大挙して押しかけてくる始末。そんなこんなで,なんとかShrewsburyに無事到着。
新人修道士JohnとColumbanusを失ったものの偉大な任務を無事果たしたと,またRobertが大演説をぶつ。Columbanusに関しては,聖人にするべきだという話も持ち上がるが,亡骸が見つからず残されたのは僧服のみとあってはどうしようもないと,お流れになる。その間Cadfaelは,危ない場面は多々あったが終わってみればすべてヨシだと,自分に祝福を与えながら安心して眠りにつく。以上第11章。
そして2年後。6月のある明るい日の午後。Gwytherinから懐かしい鍛冶屋のBenedがShrewsburyを訪れる。出迎えたCadfaelはしばらく,彼の話に耳を傾ける。元修道士Johnは,鍛冶屋見習いとしてlike a duck to water/すぐに馴染み何ら問題ない。Benedの姪っ子Annestと結婚し,もうすぐ子供も出来るのだそう。また,EngelardとSionedも結婚して男の子をもうけ,その子をCadfaelと名付けたと。これには当のCadfaelも大喜び。王の執行史Griffith ap Rhysは
let it be known that all was well, and should be let well alone
と,すべてにおいて良きに計らってくれたという。
Cadfaelの考えていたとおり,Gwytherinの人々は神父Huwを除いて,何もかもお見通しであった。しかし彼らは一貫して何も言わない。またHuwに対しても,彼自身が何も質問してこないということもあって,敢えて誰も真実を伝えない。それで何ひとつ誰も不自由しないのだから。
Benedは修道院長以下と面会すると,Gwytherinに起こった様々な奇蹟について語る。この話に副院長Robertは,嫉妬のあまり顔面蒼白になる(返す返すもオモシロイ人だ)。見えなかった目が見えるようになったり,不自由だった足が自由になったり。話せば話すほど,目に見えてRobertが狼狽していく。折を見てCadfaelが,骨のあった墓の周囲を訪れる人にさえそれだけの奇蹟を授けてくれる聖女であれば,骨そのものを持つ我が修道院にはさぞかし多くの奇蹟をもたらしてくれることでしょうよと締めくくり,一件落着。
Benedを見送りながら,あの奇蹟話の件はinnocence/無意識かmischief/茶目っ気かと訊ねるCadfael。それに対し,Benedは
Work it out for yourself!
自分で考えてみな!とな。奇蹟は事実だし,今も起こり続けているのだと。Benedを見送ったあと,Cadfaelは畑に戻る。彼の元には16才の新しい部下がいる。まだ土に興味を感じないようだが,徐々に仕事にも慣れていくだろう。そして自分の仕事を振り返る。犠牲は小さいものではなかったが,新たにRhisiartが埋められた聖女の墓跡で次々と奇蹟が起こっているということは,聖女がRhisiartを受け入れているという証ではないか。村人たちの感謝の念は,きっとRhisiartへの感謝へと移り変わっていくことだろう。それは彼女のvirginity/処女性を犯すことにはならないし,また村人たちがそのことでRhisiartを嫉むこともなかろうと。
…やっとこさ読了。新しい作家(しかもイギリス人),馴染みのない修道院世界,登場人物が異様に多い。。との三重苦(?)でとっかかりは一苦労だったが,物語自体魅力的なので読んでるうちにぐいぐい引き込まれてしまった。Cadfaelはオッサンの魅力満開。ウェールズの村人たちもいい味,出してる。Robertにはずいぶん笑わせてもらった。既に買っている第2巻,読むのが楽しみだ♪ さて明日から何を読もうかな。