ガレとドーム兄弟展を見に行く

息子の冬休み最終日。なんとか駆け込みで県立美術館のガレとドーム兄弟展を見てきた。毎度のことながら、夫は映画や美術館、図書館といった文化的施設に行くのに乗り気でなく、ここに至るまでが大変だった。この手の施設で時間を使うより、ゴルフ練習場や体育館で身体を動かしたり、テニスコートや野球場で自分の子どもや上手な人の試合を見る方が楽しいという人なのだ。私も身体を動かすのは嫌いでないが、好きなスケートやスキー、スイミングなどは今ひとつ彼の好みに合わないらしい。映画ひとつをとっても、吹替えにするか字幕にするかで揉める私たち。よくぞこれで夫婦が続けられるものだと思うが、まぁこの程度のすれ違いはどこの夫婦にもあるものなんだろうな、きっと。
ともあれ来てしまえばこっちのもの。カエルやトンボをあしらったモチーフは自然好きの娘や息子にウケるという読みが当たり、美術館嫌いの娘ですら作品にうっとり見とれていた。やや残念だったのは、冬休み企画にもかかわらず、子ども向けのパンフレットがなかった点。色刷りの立派なものでなくとも、クイズ紙の一枚でもあれば、子どもの関心がもっと深まったのにと思う。それでもひと通り見て廻ったあと、気に入った作品を教えてよと訊くと、それぞれ嬉しそうに目当ての場所に案内してくれ、俄か評論家みたいに一生懸命、お気に入り理由を教えてくれた。ちなみに息子のいち押しはガレの「ヒキガエルにトンボ文様花器」という黒っぽくて渋い作品*1とトンボのテーブルで、娘は3客セットになったドーム兄弟フクシア文グラス。夫も何だかんだ言って、コウモリのランプが気に入ったそうだ。
と、家族をここまで引っ張っておきながら、自分自身は実はアール・ヌーヴォーものが苦手だったりするυ 美術館で愛でるのは楽しいけれど、自宅にはとても置けないだろうから(禁断ノ美?)。作品ひとつの影響力が大きすぎるので、もとより危うい部屋のイメージを乱してしまうという所以*2。我が家の社宅的インテリアレベルでは、懲りすぎない備前の花器に、そこいらに生えているイヌタデでも差しておくくらいが精一杯だろう。展示室の出口脇でちらりと覗き見たガレの作品解説ビデオに、彼の作品で統一された部屋が映っていたが、アールヌーヴォーものを持つならそういうレベルまで徹底しなくちゃいかんと思う。いやしかし、ヒトヨタケのランプはいいなぁ・・・って、既に毒されてるっけ?
帰り際にショップで、子どもたちにそれぞれ気に入った栞と絵葉書を選ばせた。が、娘が気に入ったドーム兄弟関連グッズはほとんど置かれておらずガッカリしていたようで、哀れなり。やはり一般的に言って、ガレの作品の方が人気があるのだろうか(と、そんなことも知らない私 orz)。

*1:しかし、ヒキガエル邪悪説はショックだった様子。ジェレミー・フィッシャーどん@「ピーター・ラビット」やガマくん@「ふたりはともだち」らから、欧米の人はカエル好きだと信じていたそうで・・・

*2:掃除が大変そうな装飾、という説もあるυ