The Hunting Party

街中の方の映画館。観客4名(涙)
92〜95年のボスニア紛争で多数のイスラム教徒の民族浄化を行ったセルビア人の指導者でありながら、今なお逃亡中の戦争犯罪人を、落ちぶれたジャーナリスト(リチャード・ギア)がかつての仲間とともに追うというストーリー。
こういったやり切れない悲劇がこんな軽いタッチで描けるというのに、まず驚いた。しかも、それが却ってリアルであるような…。実際、激戦が行われている真っ只中でも、地球の裏側じゃ安穏と生きている人々がいるのだし、戦地で特ダネを撮ったジャーナリストが、それで得たお金で帰国後リゾート地で息抜きするということだってあるだろうし。。
描かれ方が軽快なのでサラッと見てしまえるのだが、扱っている素材は重いだけに、あとからジワリと考えさせられる。どこにも大仰な正義なんてないけれど、明らかにおかしなことに目をつぶって生き続けるのも難しい。人間のそういう部分にこそ、一抹の救いがあるのかもしれないなあ、とか。