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Doing Rightの第四節。死刑執行に関与する医療従事者について。
米国の死刑といえば電気椅子や絞首、銃殺などが頭に浮かぶが、実際には薬物注射による安楽死が増えている。その一方で、医師や看護師は人を死に至らしめる行為は手がけたくないし、AMA(米国医師会)の倫理規定でも医療従事者の安楽死への関与は禁じられている。
しかしそのために、注射器に触れたことすらない執行人が薬物を注射し、死刑囚が死にきれなかったり、死に至るまで何度も針を刺されるといった問題が浮上する。
心電図のチェックと死の宣告だけを依頼されたはずの医師が見かねてつい手を貸してしまい、それが発覚して医師免許のはく奪にまで発展しかけるような事態も起こっている。
倫理規定との兼ね合いもあって、基本的には匿名。他人はおろか、子供にすらこうした仕事への関与については話さない医師もいるという。