恐山〜六ヶ所村

市内中心部から恐山入り口まではすぐ。だが,山道に入ったとたん,道ばたに真新しい赤い前掛けと白いずきんを被せられたお地蔵さんがぞくぞくと現れ始め,おどろおどろしい雰囲気が漂ってくる。30分ほど走ったところで,おもむろにイタコさんが座った小屋(仔牛のテントみたいなの)を備えた売店と宇曽利湖が目に飛び込んできた。赤い小さな太鼓橋を横目に三途の川?を渡り,さらに走るとすぐ大きな駐車場と社務所が。駐車場は三連休ということもあってか,8割方埋まっていた。
車を降りたとたん,硫黄の匂いがぷーん。大人500円,子供200円の入場料を払い,いよいよ中へ。中はコンクリート採石場のように真っ白で,道の両側を流れている水の底は硫黄で黄色くなっている。こんな土壌条件でも草や木々が生えるのが不思議。寺の中には宿坊のほか,掘っ建て小屋のような男風呂と女風呂がある。風呂には自由に入れるようになっていて,オバサンやらライダーらが浸かっていた。ゲロの始末でタオル類を使い果たし,入られないのが残念だ。洗い場で手を清めると,心なしか水が粘っているように感じた。硫黄入り?しかし,みんなゴクゴク飲んでたぞ。
そのまま順路に従って,山を登り,硫黄臭い蒸気が吹き出す○○地獄を見て回り,賽の河原から極楽浜へ。浜は人気も少なく,とにかく静か。聞こえてくるのは,からからという風車の回る音だけである。浜に突き立てられた棒のように見えるのは,菊の花。小石が積まれているのはわかるが,赤っぽい草が結わえられている由来はわからない。
そうこうするうちに,白装束を来た一群がしゃんしゃんと鈴の音を鳴らしながらやって来た。息子はこのところリングにハマっていたせいかビビりまくり,顔つきが強ばっている*1。それに反して娘の方は,吐き気がすっかり収まったようで,「あースッキリした。きもちがいいねえ」と爽やかな顔をし,リフレッシュしていた。霊感とかおどろおどろしいモノには無縁の女である。
周遊コースの出口周辺には,名札がつけられたイタコのテントがずらり。「お母さん!」などと叫ぶ中年女性の泣き声などが聞こえてくる。それぞれお目当てのイタコさんがいるようで,結構行列のできているところと,そうでないところに差がある。どんなに人気がなくとも,じっと目を閉じたまま座り続けているイタコさんには感心する。寺を出て,売店前の自販機でお茶を買い,14時半出発。その時点で,チェックイン予定時間から遅れそうだったので,ホテルに連絡を入れようとしたのだが,圏外で通じず。お山を降りたとたんに,電波状況が一変,良好になったのには驚いた。磁場が狂っているのか?
六ヶ所村では,唯一ともいえるやまいちホテルに宿泊。バストイレ共同の合宿所のような建物で,大浴場は男湯のみ*2。女子は風呂付きの空き部屋のキーを渡され,そこのユニットバスを使えと。さらに,ビデオ完備と案内され,ロビーに大量のビデオソフトが並べられているにもかかわらず,ほとんどの部屋の機械が故障していて撤去されているのが哀し。しかしまあ,部屋は新しく清潔だし,蒲団は羽布団で気持ち良い。なんせ一泊二食付き大人5500円,子供2750円の格安。食事は夕朝食ともにバイキングだったが,クセのない味で美味しかったし,子供にオレンジジュースやスイカをサービスしてくれたり,ホテルで捕まえたというミヤマクワガタをくれたりと*3,アットホームな雰囲気で満足度大である。
すっかり疲れ果て,レベッカ・ブラウンを読みながら8時過ぎには眠ってしまったのだが,残り3人は長々と大しりとり大会をしていたそうだ。
 極楽浜

*1:旅行中,「杉沢村だ,杉沢村だ」とうるさいの何のって

*2:原燃御用達?車リースひと月6万。原燃通行許可書付きとの案内も

*3:このクワガタは後日悲劇に見舞われる